各講座の概要
MEMS基礎 講義
1.MEMSとは
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 小野 崇人 |
内容 | MEMSとは何か。MEMSの特徴、アプリケーション、技術、研究開発環境などについてのイントロダクションをする。 |
所要時間 | 1.5時間 |
2.ウェットエッチング
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | 薬液を用いて材料を加工するウェットエッチングについて講義する。各種ウェットエッチング(等方性エッチング・異方性エッチング・電気化学エッチング)の原理、方法、応用例について講義する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
3.フォトリソグラフィ
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 小野 崇人 |
内容 | MEMSにおいて、微小パターン作製のための基礎技術であるフォトリソグラフィについて講義する。感光剤であるフォトレジストの原理、種類、塗布方法、また、ウェハの洗浄工程、露光方法についても講義する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
4.ドライエッチング(プラズマとRIE)
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | ガスを用いて材料を加工するドライエッチングで多用されるプラズマの原理および応用例を講義する。反応性イオンエッチング、高速原子線エッチングについて原理と方法、応用例を講義する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
5.不純物導入、酸化および化学的気相堆積(CVD)
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 小野 崇人 |
内容 | 基板材料に別の機能を与えるために必要となる不純物導入(イオン注入、拡散)、酸化、CVDについて講義する。それぞれの原理、方法、応用例について講義する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
6.蒸着、スパッタリング
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | 金属、誘電体などの薄膜成膜の代表的方法である蒸着、スパッタリングについて、それぞれの原理、方法、応用例について講義する。成膜中の膜厚測定、膜応力についても講義する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
7.接合、研磨、めっき
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | パッケージング技術等で重要な役割を果たす接合(陽極接合、直接接合)、構造体や配線の形成で重要となるめっき、研磨についてそれぞれ原理、方法、応用例を紹介する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
8.設計
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 小野 崇人 |
内容 | 電気、機械、熱、システムについて、設計のポイントを講義する。また、容量型加速度センサを例として、ノイズの考慮、容量検出方法について紹介する。 |
所要時間 | 3時間 |
9.MEMSの応用例
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | 表面マイクロマシニング、バルクマイクロマシニングを応用した各種デバイスについて、加工技術をベースとしながら講義する。具体的には、加速度センサ、流速センサ、振動子、マイクロモータなどを紹介する。 |
所要時間 | 1.5時間 |
10.マイクロマシニング1
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教授 江刺 正喜 | |
内容 | MEMS加工に用いられるフォトレジスト、露光、ウェットエッチング、ドライエッチングについて、アプリケーションを交えながら解説する。 | |
所要時間 | 2時間 |
11.マイクロマシニング2
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教授 江刺 正喜 |
内容 | MEMS加工に用いられる蒸着、スパッタリング、CVD、LIGA、接合(陽極接合、直接接合共晶接合、ポリマー膜接合、ガラス薄膜接合など)、複合プロセス技術、パッケージング技術について解説する。 |
所要時間 | 2.5時間 |
12.ナノマシニングと微小物理
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 小野 崇人 |
内容 | 走査型プローブ顕微鏡への応用、カーボンナノチューブ、高感度のカンチレバーを用いた計測、ノイズの評価など、ナノマシニング技術を用いて実現される各種デバイス、評価について講義する。 |
所要時間 | 2.5時間 |
13.自動車・家電関連
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教授 江刺 正喜 |
内容 | 圧力センサ、加速度センサ、ジャイロ(角速度センサ)などについて、これまでの開発の歴史、設計、製作のポイントなどを解説する。 |
所要時間 | 2.5時間 |
14.情報・通信関連
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教授 江刺 正喜 |
内容 | ディスプレイ、プリンター、記録装置、光スイッチ、高周波向けなどの電子部品について、最新の研究開発成果を交えて解説する。 |
所要時間 | 2.5時間 |
15.製造検査・科学機器、過酷環境MEMS関連
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教 授 江刺 正喜 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | 製造検査・科学機器分野では、マスクレス露光機(レーザ、電子ビーム)、LSIプローバ、分析・モニタのための赤外線センサ・イメージャ、分光器、ガスクロマトグラフ、マスフローコントローラ、マルチQCMなどについて解説する。過酷環境MEMS分野では、高温用材料として用いられるSiCの成膜技術、微細加工技術、圧力センサへの応用について紹介する。また、高温でも圧電体として利用できるLiNbO3の微細加工、ワイヤレスセンサ等への応用について紹介する。 |
所要時間 | 2.5時間 |
16.医療・バイオ関連
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教 授 西澤 松彦 東北大学先進医工学研究機構 助教授 芳賀 洋一 |
内容 | 低侵襲検査・治療機器として、形状記憶合金コイルを用いた先端駆動機構のカテーテルへの組み込み、超音波内視鏡、超音波による遺伝子導入デバイス、体内に導入するための小形、細径のセンサ(圧力センサ、ISFETなど)などについて紹介する。また、体内埋め込み機器として、神経刺激電極、人工内耳、グルコースセンサなどを紹介する。これらのデバイス製作に必要な加工技術についても解説する。また、体外で用いるバイオMEMSとして、血液分析システム、DNAチップ、電気化学バイオリソグラフィ、バイオアッセイ、バイオニック燃料電池などを紹介する。またこれらに必要なポリマーの加工技術なども紹介する。 |
所要時間 | 3時間 |
17.マイクロアクチュエータ
講師 | 東北大学大学院工学研究科 教授 江刺 正喜 |
内容 | 静電アクチュエータ(検査用プローブ、ジャイロ、バルブ、光減衰器)、圧電アクチュエータ(精密ステージ、ジャイロ)、形状記憶合金アクチュエータ(ピンディスプレイ)、電磁アクチュエータ(リレー、光スキャナ、光スイッチ)、エレクトロウェッティング(ディスプレイ、レンズ)などについて紹介する。 |
所要時間 | 1時間 |
18.マイクロエネルギー源
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助教授 田中 秀治 |
内容 | 発電、推進、エネルギーに関する分野であるPowerMEMSについて解説する。具体的には、振動発電機、熱電発電デバイス、マイクロガスタービン、マイクロモータ、マイクロターボチャージャ、マイクロ燃料電池、燃料改質器、マイクロスラスターなどについて紹介する。 |
所要時間 | 2.5時間 |
19.MEMSパークコンソーシアム
講師 | 東北大学大学院工学研究科 助手 戸津 健太郎 |
内容 | MEMSの実用化を推進させるため、2004年に仙台で立ち上げたMEMSパークコンソーシアムについて紹介する。とくに、応用研究から製品開発への橋渡し役として、情報提供、試作・生産支援、人材育成、事業化コーディネートの機能について説明する。 |
所要時間 | 1時間 |
20.MEMS技術経営
講師 | (株)テクノ・インテグレーション 代表取締役 出川 通 |
内容 | MEMS技術の将来性に関しては、さまざまの分野での実用化が期待されている。しかし、このようなハイテク技術の商品化、事業化にいたる途上には「魔の川」、「死の谷」などの障壁があり、実際にはそう簡単ではない。一方では、新技術とマーケットが持つ不確定さを乗り切り、事業として成功するためのマネジメントツールとして、MOT(技術経営)が注目されている。本講義においては、このようなMOTの視点により、まずはMEMSの製品・商品開発にからむハイテク技術の陥りやすい課題や特性を明確化する。その後、MEMSの実用化や事業化に関連する、マーケティング、アライアンス、知的財産などの重要性を明確にした後、いくつかの事例を解析することで、現実的な事業化へ至る障壁の乗り越え方や解決への考え方を提言する。 |
所要時間 | 4時間 |