イベント情報
MEMS International 2009
〜イノベーションによる新市場創出〜
ここへ来て,MEMSデバイスが大きく飛躍しています。加速度センサーやSiマイクが,ゲーム機や携帯電話機,携帯型マルチメディア・プレーヤに搭載され,“MEMSの大量生産時代”が加速しています。また,携帯電話機に搭載できる超小型のプロジェクタや燃料電池などにMEMS技術が活用され,数年を待たずに市場に登場します。
さらに,バイオや医療分野でもMEMSが活躍する可能性が見えてきました。これは,MEMSが一時的なブームに終わることなく,継続的に産業界に大きなインパクトを与える存在となった証と言えます。
「MEMS International」の今年のテーマは「イノベーションによる新市場創出」です。停滞気味の携帯電話機市場をMEMSによって活性化できる可能性があります。莫大な市場が見込まれる無線センサー市場がエネルギー・ハーベスティング・デバイスの実用化で一気に立ち上がる可能性があります。知能ロボットが自家用車のごとく家庭に1台入る日がMEMSセンサー/アクチュエータによって早期に訪れる可能性があります。そんな新しい可能性を「MEMS International」は紹介します。
- 日時:
- 2009年5月27日(水)〜28日(木)
27日 10:00〜18:30予定 / 28日 10:00〜17:25予定 - 会場:
- 目黒雅叙園
- 主催:
- NIKKEI MICRODEVICES
- 同時開催:
- センサ・シンポジウム2009(主催:日経エレクトロニクス)
- プログラム詳細,お申し込み:
- http://techon.nikkeibp.co.jp/seminar/090527.html
- 受講料(2日間):
- 一般価格 62,000円 , 早割価格 58,000円(5月19日まで)
【特典】受講された方に「NIKKEI MICRODEVICES」(最新号1冊+1年間・12冊)と「日経エレクトロニクス」(最新号1冊+1年間・26冊)の2誌をお届けします。ご送本開始はセミナー開催後になります。現在ご購読中の方は,購読期間を1年間延長させていただきます。
※ 満席になり次第,申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
5月27日 (1日目)
[午前] 基調:ロボット セッション
MEMSをはじめとする新技術の導入によって,数十兆円規模の新しい需要を生み出す。そんな取り組みを進めているのが,IRT研究機構である。IT(情報通信技術)とRT(ロボット技術)による新型ロボットの開発を進め,2015年までに各家庭に家電や自動車のように普及させる。IRT機構長の下山勲氏,中核企業として参加しているパナソニックとトヨタ自動車が,開発の成果と方向性について語る。
■家庭に入る知能ロボットとMEMS/センサー・デバイス
東京大学 下山 勲氏
家事支援ロボット,移動支援ロボット,キッチン・ロボットなどのIRT(ITとRTの融合)アプリケーション,その導入シナリオ,市場規模予測を紹介した後,家庭に入るロボットに最も求められる安全性や信頼性を保証するためのMEMS/センサーなど要素デバイス技術について紹介する。
■家庭用ロボットと触覚センサー技術
パナソニック 水野 修氏
IRT基盤創出共同研究において開発した,食器把持及び片付けをターゲットとしたキッチン・ロボットにおける動作アルゴリズムと,それに用いたハンド及びセンサー構成及び利用法の紹介,そして今後のハンドに望まれる触覚センサーなどに関して概要を述べる。
■パートナーロボットとつくる未来のカタチ
トヨタ自動車 高木 宗谷氏
2005年の愛知万博では,楽器演奏ロボットと搭乗型脚式ロボットを発表した。現在,これらのロボット技術をさらに発展させ,(1)家庭内での家事支援,(2)介護・医療支援,(3)製造ものづくり支援,(4)近距離パーソナル移動支援の主に4領域について開発を行っている。本講演では,パートナーロボットの最近の開発事例を交えながら,ロボット実用化へ向けた取り組みと課題について解説する。
[午後] ファウンドリ セッション
MEMSの製造インフラとして主流になりつつあるMEMSファウンドリ。この活用によって,LSI,FPD,電子部品などのデバイス・メーカーは,MEMS構造の追加による付加価値向上を容易に実現できるようになりました。その一方,どのプロセスをどのファウンドリに依頼するのかという選択が,デバイスの競争力を左右するようになります。積極的な投資によって新規プロセスを導入し続けるファウンドリの最新プロセス技術を紹介します。
■SMICが目指す世界のMEMS工場
中国Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC) Daniel Fu氏
昨今の不況下にあっても,MEMS(設計や製品)は市場規模を拡大すると共に普及し続けている。これはMEMSが,さまざまな応用(民生エレクトロニクス,通信,自動車など)に対して,極めて低コストに動きを与えたり価値を与えたりできるからだ。CMOS LSIの大手ファウンドリである我々は,このほどMEMSファウンドリ市場に参入し,総合的なMEMSファウンドリ・サービスを提供している。従来からある「ファウンドリ-ファブレス」は,CMOS LSI業界において“ウイン-ウイン”の関係をもたらす事業モデルとして根付いた。MEMSにおいてもこのモデルは引き続き重要な役割を果たすと,われわれは確信している。これによってMEMSは本流の技術となる。
■MEMS設計者から見たファウンドリへの要望
産業技術総合研究所 池原 毅氏
オリジナルな製造プロセスとなるMEMSの試作では,デバイスごとにプロセス設計が必要になる。試作をファウンドリに依頼する際は,設計者とファウンドリとの密な連携が要求される。実際にはなかなか予定通りのものができない場合が多い。今まで様々なファウンドリへ外注試作した経験から,試作の失敗を減らすための具体的な注意点を紹介するとともに,設計者の立場からファウンドリへの要望を述べる。
■世界のMEMSファウンドリはどこへ向かうのか
マイクロマシンセンター 安達 淳治氏
MEMSファウンドリはCMOSファウンドリの参入で激しい競争時代に入った。今後は世界的に厳しい状況にある半導体から,成長基調にあるMEMS分野への参入拡大が予測される。一方で,欧州ではCorona,日本でもプロジェクトを活用した複数の企業・機関が参画するグループとしての取り組みがなされ,また得意分野に特化した新たなサービスに取り組む企業の活動も盛んである。これら拡大するMEMSファウンドリ事業の最新動向を紹介,今後の動向を占う。
■公開質問会
ファウンドリ セッションの講師をパネリストとして迎え,参加者の関心事を徹底討論する。
5月28日 (2日目)
アドバンスト・パッケージング セッション
MEMSデバイスをはじめとする多機能デバイスのコストと信頼性を左右する最大の要素,それがパッケージです。デバイス・メーカーが,既存のLSI・電子部品向けパッケージを転用して競争力を発揮できる時代は終わりました。半導体の前工程プロセスを取り込むだけでも不十分です。多様な材料技術,3次元積層などのプロセス技術,プリント基板へのデバイス内蔵技術を貪欲に取り込み,新たなパッケージング技術「アドバンスト・パッケージング技術」として昇華させる必要があります。その最新動向を紹介します。
■革新パッケージング技術で新市場・応用創出
東北大学 江刺 正喜氏
多様な要素からなる高度な機能を持つデバイスで,低コスト,小形低背化,高信頼性などの鍵を握るのが「アドバンスト・パッケージング」である。これにはウエーハ・レベル・パッケージングによる封止や配線取り出しだけでなく,プラズマ活性化などによる異種材料の接合や,また貫通配線による3次元積層デバイス化などの新しい展開もあり,それに関連してはウエーハ・レベルのバーン・イン・テストなども要求される。こうしたアドバンスト・パッケージングによって新規の需要や応用を生み出すことも可能になる。
■MEMS加工装置のアドバンストパッケージング技術への適用
住友精密工業 野沢 善幸氏
■Advanced MEMS packaging technologies(仮)
独Robert Bosch GmbH Georg Bischopink氏
MEMSとASICの積層をはじめとするチップ積層,フリップチップ実装――。Georg Bischopink氏は,Boschでこのような異種デバイス向けアドバンスト・パッケージング技術の研究開発の指揮を取る。今回,MEMSパッケージングの製品開発をリードしてきた同社における,アドバンスト・パッケージング技術の最新動向を語る。同氏は,1999年に同社が新規に立ち上げたセンサー製造部門の責任者を務め,2008年に現職に就任(『NIKKEI MICRODEVICES』)。
■MEMSウェーハレベルパッケージング向け接合技術
ズース・マイクロテック 石田 博之氏
■次世代デバイスに向けた常温接合技術
三菱重工業 井手 健介氏
常温接合技術は,室温で低歪みの強固な接合を実現する画期的な技術である。 近年では,接合材料の多様性からMEMSのウェーハレベルパッケージングを始め,高周波デバイス,発光素子,水晶振動子への適用も拡大しつつある。高品質な常温接合を実現する三菱重工業のプロセス技術と接合装置及び接合事例・評価結果を紹介する。
■公開質問会
アドバンスト・パッケージング セッションの講師をパネリストとして迎え,参加者の関心事を徹底討論する。
※プログラムは変更になる場合がありますので,あらかじめご了承願います。
※海外講師の講演には,同時通訳が付きます(英→日)。